来週7日(木)はECB理事会(2017年9月1日)

表題の通り、来週7日(木)にはECB理事会(20:45~)があります。

 

欧州に関しては、最近ずっと来年のQE減額に向けた話題が注目されているかと思いま

すが、今月のECB理事会で来年のQE減額を決定するということは可能性としてかなり

低いのではないかと思います。

 

これはECBに限らず、他の中銀もそうかと思いますが、金融政策動向に関する意思決定

をする際には、通常前もって数カ月前から市場と密にコミュニケーションを取りなが

ら、市場が徐々に織り込んだ後、意思決定を表明するケースが圧倒的に多いと思いま

す。突如発表してしまうと市場は驚いてしまい、不本意な為替の変動を起こしてしまう

ためです。

 

7月ECB理事会後の記者会見(Q&A)ではドラギ総裁が、

"our discussions should take place in the fall – or in the autumn"

"(来年のQEについて)我々の議論は秋に行われるだろう”

と、議論開始がそもそも秋としています。

https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2017/html/ecb.is170720.en.html

 

発言を踏まえた上での個人的な予想としては、今回の理事会でQE減額に関する地均し

的な内容が発表され(”QE減額について議論した”等の内容)、10月ECB理事会で本格的

に決定されるのではないかと考えています。

 

恐らく市場は今回のECB理事会にて議論したことが発表されれば、素直に期待からユー

ロ高で反応するのだろうと思います。

 

ただ一つ懸念としてあるのが、やはりユーロ高への懸念です。

ECB内でもここに関しては意見が割れている可能性があります。

というのも、先日のブログ ”ジャクソンホール会議を受けて(2017年8月26日)” でも掲

載した通り、ハンソン・エストニア連銀総裁やバイトマン独連銀総裁は現状のユーロ高

は堅調なユーロ経済を反映したものであると主張する一方、

 

昨日こんな報道があり、直後ユーロは下落しました。

"ECB unease over firmer euro risks slowing asset purchase exit: sources"

”ECBがユーロ高を懸念、資産買入縮小ペースを遅らせる可能性高まる:関係筋”

https://uk.reuters.com/article/us-ecb-policy/ecb-unease-over-firmer-euro-risks-slowing-asset-purchase-exit-sources-idUKKCN1BB15J

 

関係筋による話なので、誰なのかは分かりませんが、少なくともユーロ高が意識されて

いるのは事実でしょう。

 

ジャクソンホールではドラギ総裁がユーロ高に関する言及をしなかったことから、安心

感が広がりユーロ買いが進んだだけに、今回ECB理事会で言及されるようなことがあれ

ば、下振れ幅はかなり大きくなるのではないかと思います。

 

今週29日(水)には1.2を一度上抜けましたが、本格的に1.2を越えてくるのはやはり来

年のQEが決まってからなのではないかと個人的に感じています。

それまでは要所要所でECBによるユーロ高牽制発言・報道を背景に上値を抑えられる展

開が続き、1.17~1.20の間でレンジ推移がしばらく続くのではないかと思っています。

 

それではまた。